“W.Walkman”

2005年8月掲載

Hayley Bonnick（g&vo）とAlex Stamp（vo&electric piano）から成るインダストリアルソルト。
たっぷりのアティチュードと音楽への情熱に掻き立てられてた2人の女の子は、2004年に出逢うやいなや、すぐに音楽活動を開始。バンド名である「インダストリアルソルト」は、ある日Hayleyが宿題をしている時に化学の教科書から拝借したもの。「バンド名にピッタリだと思ったの。まさかこんなにはまるとは思わなかった！」と冗談交じりに。

Steve Askew（元カジャグーグー）からギター・レッスンを受けていたHayleyは、卒業制作用に作っていた曲のレコーディングを彼に手伝ってもらおうとアプローチ。彼女は自分が作った楽曲+αのアレンジと、それをレコーディングしなければいけなかった為、Steveにお願いするのがベストだと考えた。オファーを受けたSteveは、Kajagoogoo時代のバンドメンバーNick Beggsにこのプロジェクトを相談。NickはすぐさまHayleyが作った楽曲の良さを感じ、バンド・プロジェクトが誕生。当時、リード・ヴォーカルはHayleyの友達がとっていたが、正式メンバーとしてのリード・ヴォーカルを探さねばならないとうことになり、NickとSteveがイギリス中の音楽学校でオーディションを敢行。そこで白羽の矢がたったのがAlex Stampだった。

当時のAlexは音楽学校の最終学年におり、学校を優秀な成績で卒業するところだった。熱心に勉強している時間の合間に、学校で行われたオーディションに挑戦。その透明なヴォーカル・スタイルはNickとSteveの目に止まり、すぐさまバンドプロジェクトのヴォーカリストとして参加することが決定。

2005年6月8日発売、ASIAN KANG-FU GENERATION presents "NANO-MUGEN COMPILATION"に収録される「Sugar Bomb Baby」は、NickとSteveによって10年前に書かれた楽曲。二人の中で大事にあたためられていたこの楽曲が持つ「きらめき」と「メロディ」は2005年に聞いても全く色あせていない。
アルバム収録される他の楽曲は、Alex&Hayleyで制作するという作曲方式が見事にはまり、すぐに完成。80年代のフレイヴァーがちりばめられた2005年のポップアルバムに仕上がっている。

Simon Cowellによって独占されたUKの音楽業界に飽き飽きしたガールズ2人は、ちょっと人とは違うルートでトップを目指す。彼女達の楽曲が最初にお披露目される場所は、なんと2005年の日本。日本人の心とハートをしっかり掴んだ後、イギリスへ凱旋帰国する夢と野望に、誰もが釘付けになる日も近し。